前回のメルマガ「平凡なプロフィールを非凡にする」の続きです。
ストーリーライティングは主に【4つの柱】で構成されています。最初の柱はこちら。
①主人公
主人公とは物語の中心人物であり、読む人がストーリーに没入するための糸口になります。
そんな主人公は、これら5つのタイプに分類できます。あなたはどのタイプに当てはまるでしょうか?
▶英雄=多くの読者から「この人のようになりたい」と思われる存在です。憧れの的ですね。
自分にはない強さ、優しさ、能力を兼ね備え、自分にはできないような偉業を成し遂げる存在です。
スーパーマンやスパイダーマン、インディ・ジョーンズなど映画に登場するヒーローから、歴史上の偉人も英雄として頻繁に描かれます。
▶弱者=ハンディキャップを持っていたり、社会から落ちこぼれていたり、不運や不幸に見舞われて自分の思い通りに生きることができていない主人公です。
小説ビリギャルは、小学4年生レベルの学力しかない女子高生(弱者)が、たった1年で慶応大学に現役合格するストーリーです。
他にも生まれ持ったハンディキャップに苦しみ、克服し、精神的に成長する主人公がここに当てはまります。
▶罪人=過去に過ちを犯し、過ちから学び、悔い改め、十字架を背負って今を生きる主人公です。
例えば元暴走族の高校教師、元ヤクザの牧師さんなどなど。他にも、悪役なのにどこか魅力を持っていて、主人公としてストーリーを引っ張っていく存在もこのタイプに当てはまります。
▶凡人=実はこのタイプが最も共感されやすい主人公です。
映画スターウォーズの主人公ルーク・スカイウォーカーは片田舎の農場に暮らすごく平凡な青年でした。
映画ダイ・ハードのジョン・マクレーン刑事は、言葉遣いが下品でヘビースモーカー、アルコール依存症の一歩手間で、妻とは離婚の危機に陥っています。しかも運が悪い(笑)
▶掛け合わせ=上記4つのタイプのいくつかを兼ね備えています。
例えば映画「ロッキー」の主人公。
・ボクサーとしては三流、しかもすでに30歳と若くありませんでした。
しかもボクサーなのに酒やタバコをやめるつもりがなく、練習にも身が入らずにマネージャーからは三下り半を突きつけられ、落ちぶれた日々を惰性で生きている主人公です(弱者)。
・ボクシングの賞金だけでは生活できないので、賭けボクシングをしたり、闇金の取り立て屋のようなヤクザな仕事をしているスラム街のゴロツキです(罪人)。
・ロッキーはペットショップで働く親友の妹に恋をします。亀のエサを買うという口実でペットショップに通うのですが、シャイなロッキーはなかなか声をかけることができず、その親友に仲を取り持ってほしいとお願いするのでした(凡人)。
・偶然転がり込んできた世界チャンピオンとの試合。友人やマネージャー、愛するエイドリアンのために猛特訓を乗り越えます。
試合では倒れても倒れても立ち上がる姿に観客は感動し、いつしか「ロッキー!ロッキー!」という大歓声が会場に渦巻きます。試合には判定負けしたものの、ロッキーは堕落した自分という「本当の敵」に打ち勝ったのです(英雄)。
プロフィールに描かれる「あなた」は、どのタイプに当てはまるでしょうか(どれとどれの掛け合わせでしょうか)?
それを裏付ける人生経験には、どのようなものがあるでしょうか?
それでは、ストーリーライティング4つの柱の2番目がこちら。
②コンセプト
一度聞いたらさらに深く知りたくなる、好奇心の渇望を刺激する「あらすじ」です。
映画もののけ姫のコンセプトは、「室町時代。北の果ての村に暮らす青年アシタカは、村を襲ったタタリ神を退治した際に死の呪いを受けてしまう。呪いを絶つ方法を求め、西に向かって旅に出たが、その道中で犬神に育てられた少女サンと出会う。タタラ場へたどり着いたアシタカは、人間たちが生きていくために森を切り開いたことでサンと犬神の怒りを買っていることを知るが」(結末までのあらすじは省略)。
映画スピードのコンセプトは、「とある路線バスに、『走行速度が時速80キロを下回ると爆発する』爆弾が仕掛けられた。さらに運転手が負傷。爆破を阻止するために乗り込んだSWAT隊員の青年が、居合わせた女性客に運転を任せ、高速で走るバスの中から状況の打開に挑むストーリー」です。
これまでのあなたの人生をあらすじで「劇的に」表現してみましょう。そしてその文章を「好奇心の渇望を刺激する」ように書き換えてみましょう。
ヒント=どうずればプロフィールを読んだ人に「え!どういうこと?」と思ってもらえるか(驚き)、どうずれば「それもっと知りたい!」と思ってもらえるか(好奇心)、そして読者を没入させ、共感させ、感動させる演出を考えてみましょう。
③テーマ
主人公(読者)がストーリーから気づくこと、学ぶことです。
ロッキーでは、「人は何歳からでも変わることができる」「人は孤独じゃない」「不屈の精神」「純愛」
「諦めない」ではないでしょうか。
もののけ姫では、「文明と自然」「神と人間」「不変と変化」「愛と憎しみ」「生と死」といった対比が感じられますね。
あなたのプロフィールを読んだ人に、どんなことを伝えたいですか?読んだ人は何に気づき、何を学ぶのでしょうか?
注意点=「~が大切です」「~が大事です」と直接的に書いたのでは説教になってしまいますので、あくまでもプロフィールを読んだ人が「自発的に」気づき、学べるようなストーリーに仕上げましょう。
④ストーリー
簡単には手に入らない何かを主人公が求めている「場面の連続」がストーリーです。一つ手に入ると次に求める何かが現れます。
誰にでも葛藤した、迷った、決断した、行動した、挑戦した、克服した、失敗した、感情が動いた、そんな経験をお持ちでしょう。
ところで、なぜ人の心は動くのでしょう?
それは「差」があるからです。
目的地と現在地、理想と現実、期待と結果、緊張と緩和、愛と憎しみ、喜びと悲しみ、生と死、自然現象を含めた世の中のすべては「差」を埋めるために活動しています。
人の心も「差」を埋めるために動くのです。
日頃から「この人はどんな『差』を埋めようとしているのか?」アンテナを立てておきましょう!
ストーリーの書き方についてはまた追々メルマガで配信していきたいと思います。
なんと!今回のメルマガはここまでで2700文字になってしまいました(汗)
長文にお付き合いいただき、ありがとうございます!ここまでお読みになったあなたは、きっと僕が大好きな変態さんです(笑)