ミニョネット号事件をご存じでしょ
うか?
殺人事件の被告は死刑判決を受けま
したが、なんとのちに禁固6ヶ月まで
減刑されました。
殺人を犯してたった禁固6ヶ月とはど
ういうことでしょうか?
***
1884年6月、イギリスからオーストラ
リアを目指して航行していたヨット
には、船長1人、乗組員2人、食事係
の少年1人が搭乗していましたが、南
アフリカ沖でヨットが航行不能とな
り、4人は救命ボートに乗り換えて漂
流することになりました。
しかし救命ボートには水や食料はな
く、漂流する4人は喉の渇きと飢えに
苦しんでいました。
そして漂流24日目、ようやく救命ボ
ートはドイツ船に発見され、無事
「3人」は生きて帰還することができ
たのです。
そう、生きて帰還できたのは、船長
1人と乗組員2人の計3人だけ・・・。
実は漂流20日目、
食事係の少年は殺害され、船長と乗
組員3人は少年の血で喉を潤し、肉
で空腹をしのぎ、生き延びることが
できたのです。
そしてここからが本題です。
1人の命を犠牲にして3人の命が助か
りました。この殺人は許されるべき
でしょうか?
もしあなたが船長や乗組員だった
ら?もしあなたが食事係の少年だっ
たら?もしあなたが裁判官だった
ら?
もしあなたが神様だったら・・・
少ない命で多くの命を救うことはよ
いことなのでしょうか?
実は人間社会では、このようなこと
がずっと認められてきました。
例えば、口減らしのために老人が山
に捨てられたり崖から落とされたり、
工事の無事を祈って人柱を立てたり、
災いを鎮めるために僧侶が生きたま
ま埋められて即身仏になったり、城
主が切腹をして家臣の命を守ったり。
その最たるは戦争ですね。
国民(多くの命)を守るために、兵
士(少ない命)が戦地で命を落とし
ています。
戦後に生きる僕たちは、犠牲のおか
げで生きている船長や乗組員と同じ
立場なのかもしれませんね。
ん?
もやもやもやもや
もやもやもやもや
どんなことでもやもやしてますか?
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