今回は「ぼっち君と神様」というお話をお届けします。
あ、時々聞かれるのですが、僕のメルマガは100%創作です(#^^#)
では、どうぞ!
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ぼっち君はひとりぼっちだった。でもさみしくはなかった。
自分でひとりぼっちになりたくて、ひとりぼっちを選んでいたから。
ぼっち君のことを大切に思っている人から「私に何か助けられることはない?」と心配されても、ぼっち君は「馴れ馴れしくしないで」と声も荒げに突き放していました。
ある日、夜になってぼっち君が眠りにつくと、夢に神様が現れた。
ぼっち君「神様、どうして人は群れたがるの?」
神様「ほとんどの人間は自信がないからだよ」
ぼっち君「どうして人は自信を持てないの?」
神様「自信は持つものだと思っているからだよ。自信は気づくものなんだ」
ぼっち君「どうして自信に気づけないの?」
神様「他人と自分を比べては、自分にないものを探しているからだよ」
ぼっち君「だったら、ひとりぼっちになればいいのに。他人と比べることもなくなるから」
神様「君と私は似たもの同士だね」
ぼっち君「神様はひとりぼっちなの?」
神様「そうだよ。すべてが完璧に満たされているから、私は私以外に出会うことができないんだ」
ぼっち君「すべてが満たされているなら、ひとりぼっちでも幸せだね」
神様「君が言うような幸せを感じることはできないんだ。だから私は私以外である人間を創ったんだよ」
ぼっち君「どうやって創ったの?」
神様「例えば、私と私以外を区別するためには、違いが必要だよね?」
ぼっち君「そうだね。違いがないと区別できないからね」
神様「つまり、私と人間を分けるためには、人間に何かが欠けていなければいけない」
ぼっち君「神様は完璧だからね」
神様「だから私は、私からいろいろな部分を少しずつ引き算をして人間を創ったんだ。すべての人間は引き算した部分が違うから、まったく同じ人間は存在していないんだよ」
ぼっち君「パズルのピースみたいだね。出っ張ったところもあれば、引っ込んだところもある」
神様「そうだね。だからすべての人間には得意なこと(私の完璧なままの部分)と、不得意なこと(引き算をした部分)があるんだ」
ぼっち君「神様が言っていた自信に気づくって、他人と比較して自分の引っ込んだところを悲しむんじゃなくて、自分の出っ張ったところに気づくってことなんだね」
神様「そうだよ。すべての人間には唯一無二の得意があるんだ。みんな私の子どもたちなんだから」
ぼっち君「幸せとはどんな関係があるの?」
神様「君はなぜ人は群れたがるのか、と聞いたね」
ぼっち君「そうだよ。人は群れるから争いが起きて、傷つき、妬み、悲しむんだ」
神様「私が創った世界は、自分の得意なことで他人の不得意を助けてあげて、他人の得意なことで自分の不得意を助けてもらう。
そんなすべての人間がお互いに救い救われる世界なんだよ。幸せだと思わないかい?」
ぼっち君「・・・」
神様「違いがあるって素晴らしいことなんだ。自分を知って、認めて、受け容れて、困っている誰かを助けてあげて、誰かに助けてほしいとお願いする。
人間は違いがあるから手と手をつなぐんだ。そうするとみんな幸せになれるんだよ」
朝になってぼっち君は目を覚ました。
ぼっち君はすぐにある人に電話をかけた。
ぼっち君「あの時はごめんなさい。僕にはあなたが必要なんだ。どうか許して・・・」
ぼっち君は受話器の向こう側から聞こえてくるやさしい声に救われていた。
ぼっち君は、実はひとりぼっちではなかったと気づいたのでした。