認知症夫婦の恋心

認知症夫婦の恋心

とある夫婦がいました。お互いに70代半ばを過ぎ、妻は認知症を患っていました。

最初は忘れっぽいという笑い話で済んでいましたが、日に日に妻から記憶が、思い出が消えていきました。

そしてついにその妻は、目の前にいる男性が自分の夫だということも分からなくなってしまいました。

ある日、

妻は目の前にいる旦那さんに「ねぇ、あなたの奥さんは誰なの?」と聞きました。旦那さんはやさしく「僕の奥さんはあなたですよ」と答えました。

すると妻は「え?本当?うれしいー!」と大喜びしたそうです。

記憶がどんどんなくなっていくにつれ、70代半ばの妻は少女に戻っていくようでした。

しかし旦那さんへの恋は、愛は、ずっと変わらないままでした。

「私、前からあなたと結婚したかったのよ」と続ける初々しい少女の眼差しに、旦那さんはいつもと変わらない笑顔で「結婚してくれてありがとう」と伝えました。

僕はこのお話を聞いて、正直複雑な気持ちになりました。

この奥さんが旦那さんに寄せる曇りのない純心さ、恋心、愛情に感動しつつも、認知症にさえならなければ・・・と、天からの試練に心が揺れてしまいました。

また、自分が認知症になる前に(認知症でなくても人はいつ死んでしまうか分かりませんから)、好きな人に躊躇なく「好き」と伝えられるように生きていきたいと、口下手な自分に言い聞かせるのでした。

人はオギャーッと純真無垢な「裸の魂」で生まれてきてから、少しずついろいろなヴェールを重ね着していきます。

これは安心できる
これは痛くて危険
これは気持ちいい
これはイヤ
こうすると優しくされる
こうすると嫌われる

これは私の得になる
これは私の損になる
こうすると独り占めできる
こうするともっと手に入る

アイツを蹴り落とす方法
私が尊敬される方法
バレないようにズルする方法
お金で欲望を満たす方法
誰もが私の言いなりになる方法

もっともっと私は・・・

生きるために必要だったヴェールは、どこかのタイミングで必要なくなります。むしろ窮屈になり、自分を苦しめるようになります。

生きるためにまとってきたヴェールを一枚一枚脱いでいくと、誰でも純真無垢な「裸の魂」に戻れます。裸の魂が望んでいることは何でしょうか?

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